ヤッホー!暮らしの往復書簡vol.84境界を作る
これは、私が住む神山町の隣、佐那河内村に住むフードデザイナー・小林幸(こばやしゆき)さんとの公開往復書簡です。
日々の暮らしの中で思ったこと、気づいたことをお互いのブログでお手紙のように伝えていきます。
小林幸さんのサイト
小林さま
前回の記事に「日本人は特に空間を大切にしてきた」とあって思い浮かんだのは
境界や結界という概念です。
そう、「概念」なんですよね。
物理的に壁とかでガチッと区切ってあるのではなくて
しめ縄があるだけだったり、お札を貼ってあったり。
神社やお寺の聖域はもちろんですが、家の区切りでもそうですよね。
御簾が降りている、あるいは障子が閉まっていればそこから先は入ってはいけない。
非常にハイコンテクストだなと思うと同時に、
そうやって「あちら」と「こちら」を区別する感覚を忘れてはいけないなあと感じます。
どういうことかというと、
目に見えないけど
「なんだかここからは先に行かないほうがいい気がする」
「理由は説明できないけどこれは普通ではない」と
第六感を尊重できるように思うからです。
以前どこかで書きましたが、
工房の庭で過ごしていたら、妙に視線を感じることがありました。
山の中で誰もいないのに。
あたりを見回すと、少し離れたところに大きな青鷺がいて
じっとこちらを見ていたのでした。
現代はどうしても視覚に偏りがちですが
それ以外の感覚を研ぎ澄ませると
とても豊かで深い世界に触れられますね。
・・と書きつつ忙しいと忘れがちになるので
そういう無意識の時間を意識して作っていきたいなあと思ってます。
↑矛盾してるかもな表現ですが。