【時計の針はどうして回るの?】こども電話相談室と夏の思い出

曲げわっぱな日々

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子供のころ、子供電話相談室に電話したことがあります。
TBSラジオ系の「全国こども電話相談室」でした。

小学2年生の夏休みだったでしょうか、
質問は「時計の針はどうして回るの?」というものでした。

最初は母にそれを聞いてみたのですが、
「この番組に聞いてみたら教えてくれるんじゃない」と言われたので
「わかったー」と、素直に電話をかけました。
日ごろからそのラジオは家族でよく聴いていたので
なじみがあったというのもあります。

番組が始まり、ドキドキしながらダイヤルを回して(当時は黒電話だった)、
「時計の針はどうして回るんですか」とかねての質問を投げかけると
それはね、時計の裏に歯車があってね、それが時計の針とつながっていて規則正しく回るようになっているんだよ、と、
そんな趣旨のことを説明してくれた記憶がありますがはっきりとは覚えていません。

なぜかというと、
電話を掛ける前より実際にお話ししているときが緊張のピークで、
「知らないおじさんが自分のためだけに話してくれている」という状況で頭が真っ白になっていたからです。

なので、今の電話相談室に電話をかける子供たちが
「はい!」「なるほどー!」「そっか!」「わかりました!」
などと大人相手に全く物怖じせず、ハキハキとお返事しているのを聞くと多少、いや、かなり圧倒されてしまいます。

すごくないですか?
例えば恐竜大好き少年にとって恐竜の専門家ってめっちゃヒーローだと思うのですが、そのお方に対して自分の疑問をぶつけるとか、ちょっと他人事でも緊張してモゾモゾしてしまいます。
もし今の私が憧れの方と電話でお話できたとしても、あんなにハキハキ話せる気はまったくしません(笑

なので、納得いってなさそうな声で「わかりました」と返事する子、無言の子、鼻息で返事する子には「気持ち分かるよ・・!がんばれ・・!」と心の中で応援せざるを得ません。

子供の質問って難しくて、
「どうして」は、whyだったりhowだったり、
期待した結果が出ない憤りも含まれていたり(大事にしてたお花が枯れちゃったとか)、
本人もうまく表現できないことが多いと思う。

冒頭の質問をもう一度説明し直すなら、

「1日24時間1年365日、そして1秒という、この世界にとって非常に重要な単位は
いかなる仕組みによって、なぜうちにある時計からテレビの時刻まですべからく均等に計測されているのか?なぜそれがずれたり狂ったりしないのか?
それを可能にしている技術とはなにか?」

これが質問の本質でした。
小学生の私にとっては、その「?」が凝縮されているのが
「時計の針はどうして回るの?」という問いだったわけです。
いまならこんな風に説明できるけど、当時の私にとってはあの問いで精一杯だったし、
おそらく自分で自分の問いの本質を分かってなかったと思います。

今ならいくらでも自分で調べることができるし
当時ちゃんと答えてもらえたとしても理解できたとは思えないし、
「時計の仕組み」を教えてくれた先生だってなんにも間違ってない。

問いは解決しなかったけど、でもあの数分のことはおぼろげながらもずーっと覚えています。

「専門家の偉いおじさんが、子供の自分の問いに丁寧に答えてくれた」という体験そのものが、すごく宝物になっている。

しかも電話というのがまたポイントで、
今にして思うのですが、田舎の小学生の私にとって
人生ではじめて「知らない大人と話をした、しかも電話で」という体験だった気もします。留守の父や母の代わりでなく、私自身と大人との会話。

そんなわけで
毎年夏になると、このときのことをうっすら思い出します。
田舎の小学生の女の子に、笑顔が見えるような優しい声色で、
丁寧に話してくれたおじさんの声を思い出すのです。

それは本当の意味で「外の世界とつながった体験」だったと思うのです。

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